ダブルスでバック側の奥を狙われると、返すだけで精いっぱいになりませんか。強いバックハンドを覚える前に、誰が入るか、どんな体勢で触れそうか、返した後を2人でどう守るかを確認しましょう。苦しい球を一発で取り返そうとせず、次の一球につなぐ判断が出発点です。
ここでは右利きの選手を例に、ネットを向いた本人の左後方を「バック側の奥」と呼びます。すべてをバックハンドで打つ、という意味ではありません。既存のフットワークの基本から場面を絞り、左奥での返球判断とペアのカバーを整理します。細かなグリップ変更や連続フォームを文章だけで習得する記事ではありません。
最初の確認|バック側の奥と、取る人をそろえる

図は手前左の選手が左奥へ向かう場面です。手前の選手は背中から見ているため、本人の左は画面の左になります。奥側の人物は向きが逆なので、「画面の左なら全員のバック側」とは考えないようにしましょう。青い矢印は選手が近づく方向で、打球の線ではありません。
苦手だからと、無言でペアへ任せない
左右で構えているか、前後で構えているかを先に見ます。後衛がすでに左奥へ入っているのに、前衛まで同じ球を追う必要はありません。逆に、自分が担当する位置にいるのに「バックは苦手だから」と急に譲ると、ペアも準備できません。球と2人の位置を見て、取る・任せるを早めに共有しましょう。
中央の球で迷う場面は真ん中の球はどちらが取るか、伝え方はダブルスの声かけで確認できます。中央線だけを担当の境界にしないことも大切です。
追いつき方|早めに向きを変え、無理な回り込みを避ける

まずは球が左奥へ来ると分かった時点で準備できているかを見ます。ネットへ正面を向いたまま細かく後ずさりし続けるのではなく、進む方向へ体の向きを変える動きを、短い距離から確認してください。図は動き出す前の構えで、足順や歩幅を指定する実演ではありません。
フォアで取れる余裕と、遅れた状態を分ける
左奥の球でも、余裕があればフォアハンドで対応できる場面があります。ただし、「必ずフォアで取る」と決めて大きく体を反らしたり、落ちかけた球の下へ無理に回り込んだりしません。球の位置、足元の安定、ペアとの距離から、今の動きで間に合うかを判断しましょう。慣れない動きは指導者に見てもらう方が確認しやすくなります。
届かない原因を、腕の力だけにしない
「バックが飛ばない」と感じたら、相手が打つ前の立ち位置、動き始めた時点、触れた場所を分けて振り返ります。毎回同じところから大きく遅れているなら、スイングだけを変えても比較しにくくなります。動画を撮る場合は周囲の了承を取り、カメラを移動経路や通路の外へ置いてください。
返球の選び方|奥へ返せるか、短めにつなぐかを見極める

バック側に来たという理由だけで返球を一つに固定しません。BWFの教材は、バックハンドクリアを奥から相手の奥へ送り、構え直す時間を作る球として扱っています。また、球が後ろへ抜けた守備的な場面で使うバックハンドの短めの返球も紹介しています。ただし、どの打点からでも同じ球が打てるわけではありません。
奥まで届く球で、立て直す時間を作れるか
練習では、強く振った感触だけでなく、実際にどこまで届いたかをペアに見てもらいます。浅い返球になったなら、相手に攻められる可能性を踏まえ、すぐ次へ備えます。「高く上がったから安全」とは決めません。クリアの基本はクリアの打ち方でも整理しています。
短めに返すなら、相手の前衛を見る
奥へ返すのが難しくても、短く送れば必ず逃げられるわけではありません。相手の前衛が待っていないか、浮いた球を触られないかを確認します。奥から返す短い球と、ネット際で触るネットショットは同じ場面ではありません。ぎりぎりのネット前だけを狙うことより、自分の打点で制御できる返球を探しましょう。
まずは練習でストレート方向の一球を確認し、返球と次の動きをそろえてからコースを増やす方法が考えられます。これは練習を整理するための案で、「試合では必ずストレート」という決まりではありません。クロスへ逃がす場合も、相手に届く位置と次のカバーをセットで考えてください。
ペアのカバー|同じ球を追わず、返球後の攻撃に備える

取らない人の仕事は、後ろのペアのスイングを見守るだけではありません。移動と振る空間を空け、実際の返球と相手の打点を確認します。左奥に1人がいるからと、もう1人まで左奥へ集まらないようにしましょう。
高く返して相手が上から打つなら、守備へ切り替える
自分たちが高く返し、相手が攻められる状態なら、左右で守る形を考えます。ただし、必ず同じ深さへ横一列に立つとは決めません。返球の方向や相手の位置、打った人がどこまで戻れたかを見て調整してください。短めに返した場面まで、自動的に同じ配置へ移る必要はありません。
「戻る場所」を中央の一点にしない
バック側で打った後は、相手側を見て次へ備えます。2人が同じ中央の点へ走るのではなく、お互いのいる場所を確認しましょう。前衛の立ち位置も参考にしつつ、前を守り続けるか、守備へ切り替えるかを返球に合わせて考えます。
練習方法|1球ずつ、担当・返球・次の構えを確認する

最初から速い球を左右へ振り分けるより、左奥の1方向に絞ります。球出しする人は、取り手に無理のない高さと距離から始めてください。図の4人は試合の配置例です。球出し役や待つ人を、実際の移動経路・打球・スイングの範囲へ置く指示ではありません。
- 球なしで担当確認:誰が左奥へ動き、ペアはどこを空けるかを、歩く速さで共有します。
- 取りやすい球を1球:返球後は一度止め、触れた位置と球の行き先を確認します。
- ペアも次に備える:同じ条件で、打つ人と打たない人の構えまでをひと組にします。
- 次の1球を足す:余裕ができたら返球後も続け、相手が打つときに2人が備えられたかを見ます。
「飛んだか」だけで終わらせない
記録は「担当を迷わなかったか」「返球は狙った範囲へ届いたか」「次に2人が備えられたか」の3点にします。一度に足運びとグリップとコースを全部変えるのではなく、確認する項目を一つ選ぶと比較しやすくなります。転びそうな球や痛み・違和感の出る動きを、回数のために続けないようにしてください。
足元の用具は、動きの練習と分けて点検する
練習前には、シューズの傷みやフィット感も確認しましょう。ただし、買い替えだけで左奥へ追いつけるとは限りません。用具の状態と、動き出し・担当・返球の判断を分けて見直すことが大切です。
足元の用具も見直したい場合は、まずシューズの選び方でサイズや足幅の確認点を整理してください。以下はアルペンのバドミントンシューズ一覧です。買い替えだけで動きが改善すると保証するものではありません。価格・在庫・サイズ交換などの条件は販売ページで確認しましょう。
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よくある質問

バック側の奥は、全部バックハンドで打つ?
コートの場所と打ち方の名前は別です。フォアで対応できる余裕があるか、すでに球が後ろへ抜けているかを見ます。どちらの打ち方も、無理な体勢へ持ち込まないようにしましょう。
苦手なら、毎回ペアに任せてよい?
苦手という理由だけで急に担当を変えず、普段の分担と、その時点でどちらが入れるかを共有します。ペアが遠い場面まで無言で任せるのではなく、練習時に対応できる範囲を確認してください。
奥へ飛ばせないなら、常にネット前へ落とす?
相手の前衛が待っている場合もあるため、常に短く返すとは決めません。まず取りやすい球出しから制御できる範囲を確認し、苦しい打点の技術は指導者に見てもらいましょう。
打った後は、すぐ前衛へ出るべき?
返球とペアの位置で変わります。高く返して相手が攻める場面で、前へ出ることを先に決めないようにします。次の一球に2人が備えられる形を確認してください。
まとめ|バックの強さより、担当・返球・カバーをつなげる

バック側の奥へ追い込まれたら、取る人を確認し、今の打点で返せる球を選び、ペアと次の構えを作る順序で考えましょう。無理な回り込みや強打だけを目標にせず、返球した後までを練習します。
次は左奥への取りやすい1球から。「返した球」と「2人の次の位置」をペアと確認してみてください。足運びそのものが不安なら、球なしの短い距離へ戻して段階を調整しましょう。
参考:BWF『Coaches’ Manual Level 1』第2版のBackhand Clear(冊子125ページ)、Backhand Pulled Dropshot(127ページ)、Base Position(135ページ)、ダブルスの守備(157・168ページ)。教材の基本的な考え方を参照し、右利きの左奥での確認順序・声かけ・段階練習は本記事向けに整理した案です。図はV10固定コートと承認済みの影絵による位置・移動の概念図で、打球フォームや足順の実演ではありません。2026年10月27日確認。


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